※「災害ボランティアの備忘録」を読むときの注意事項
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他ソースから「被災地の情報」を得る時も同様ですが、
ここに書かれていることを「被災地の一般的な状況」とは
決して思わないで下さい。
被災地の状況は刻一刻と変化し、
地域が少し違うだけで、また地域が同じでも
生活の場が自宅か避難所か、
男性か女性か、子どもか成人か高齢者か、などなどで、
被災状況、ニーズ等は全く異なります。
的外れな親切心は、それこそ
「小さな親切、大きなお世話」になります。
もし本当に被災地のことを考え
役に立ちたいと思うのであれば、
多少面倒でも、支援したい対象を決めて
その対象が必要としているモノやコトを詳細に調べ、
ピンポイントで支援するようにして下さい。
善意の行き違いが起こらないよう、
ぜひ、よろしくお願いします。
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■月日
4月15日(金)深夜出発~4月17日(日)深夜到着
・活動時間 16日朝~17日昼頃
・視察時間 17日昼頃~夕方
■メンバー
20代後半男性2名
■目的
・何か役に立てるこがあればやりたい
・まちづくりや建築に携わる者として、
現場を見たいし、見るべきと考えた
・あわよくば、現地の方の生の声を伺いたい
■場所
宮城県石巻市内
■現地の案内人
・現地に在住で、知人や繋がりのある人の手伝いを
個人的にしている方
・前週に現地に行かれた方からの紹介
■活動概要
・1日目(16日)
活動場所の被災状況:
津波により2階床まで浸水、1階の半分は津波で消失
作業:瓦礫の撤去、倉庫内土砂の搬出、
浸水を免れた家屋2階部分から家具家財を倉庫へ搬出
・2日目(17日)
■見たもの
・1日目(16日)
住所:三陸自動車道 (仙台から松島、石巻へ抜ける高速道路)
状況:粉塵が酷く、霧のよう。
住所:石巻市中央2丁目付近 (石巻市の中心部)
被災状況:
ほぼ2階くらいの高さまで浸水。漁船や車なども流されている。
住所:石巻市北上町十三浜吉浜前付近
(北上川河口付近、多くの小学生が犠牲になった大川小学校の東北に位置)
被災状況:
この周辺はと、その上流でも、川沿いは壊滅的。
高台とその外縁部で建物が少し残るのみ(上中写真)。
下流はこれ以降、文字通り壊滅。
狭い切通しがあるだけだった場所に津波が押し寄せ、
崖を大きく削り、家屋にも大きな被害が(下写真)。
津波に勢いが無かったためか、
損壊している建物はほとんど見当たらないが、
浸水したと思われる家財などが道路など屋外に積み上げられている。
住所:宮城県石巻市門脇町2丁目付近 (石巻市街でおそらく一番被害を受けた地域)
被災状況:
住宅が立ち並んでいた地区ながら、ほぼ面影は無し。
あるのは数軒の建物と瓦礫のみ。
被災状況:
何もない。 本当に、何もない。
橋脚上部にゴミが引っかかっている。この高さまで津波が(下写真)。
被災状況:
とりあえず道路のスペースは確保しただけのような状態。
必死でしがみついたという防災無線のアンテナ(中写真)。
少し内陸に入ったくらいでは、被害は収まらない(下写真)。
【すべてがリアルじゃない】
俺自身の感受性が低いのもあるのかもしれないけれど、
①被災前の街並みを知らない
②あまりにも「何もかも無くなっている」
せいで、被害の甚大さを、リアルに感じ取れなかった。
それだけアンリアルな世界だったとも言えるかも。
【「被災地」という言葉でひとまとめにしてはいけない】
海から数キロ入ったところまで津波の痕跡があり、
福島以北の高速道路などは痛みが激しい。
が、すべての地域で甚大な被害を受けているわけではない。
(自分が行った時点で)本震から1ヶ月経っており、
津波の被害を逃れた地域では、
多くの宿泊施設、コンビニ、外食店などが営業を再開していた。
「被災地」としてすべての地域をひとまとめにするのは危険。
地域にお金を落とす意味でも、
現地の人の迷惑にならない程度に、
現地のモノやサービスを購入していくべき。
【支援はピンポイントで】
また、必要とされている支援も、
地域、つまり被災状況によって全く異なる。
性別、年代、市街地or郊外、内陸or沿岸などなど、
きめ細かなニーズに合わせた支援が必要。
ニーズに合わない支援は「小さな親切大きなお世話」。
【(個人で支援する場合)自分に合った、「できる」支援を】
食料や衣類などは、
大きなロットで大きな組織が既に物資を提供している。
上の項目とも関連するが、
そういった大きな組織では把握しきれない
または対応しきれないニーズに対する支援をすべき。
【被災者を励ます必要はなんてない】
なんだかんだ言っても安穏と暮らしている被災地外の自分が、
見たくないものを見て、
経験したくないものを経験した人たちに、
励ますどころか、かける言葉も見つからなかった。
むしろほぼ不自由なく暮らしている人からの
励ましの言葉なんて、嫌味ですらあるかもしれない。
被災地の人たちは、もう十分頑張ってる。
励ます必要なんてない。
自分ができることを一つずつこなしていく。
それだけで十分。
【行ったら話を聞いて、帰ったら話をする】
震災当日のことを、思い出すのも嫌だという人も
もちろんいるだろうけど、
「大変な思いをしたからには
それを他の人に伝えることが使命」
と思ってる方々も居る。
当然、無理に聞き出す必要はなく、
話してくれるのであれば、じっくり聞く。
ボランティアに行くのであれば、
話を聞き、帰ってきたらその話や
自分が感じたことを話す。
それが現地を見させてもらった者の使命だと思うし、
そう思うようになるはず。
【現地に行かせてもらうべき】
偉そうな言い方かもしれないけれど、 やっぱり現地に行った人でないと感じられない、
語れないものが絶対にある。
現地の迷惑にならないように、
できるだけ多くの人に現地に行ってもらいたい。
・現地の人とのやりとり
・準備
・その他詳細なレポート
などはまた追って・・・